Vol.6

「働く女性の“B面”」

Vol.6 これから


第5号2010-01-25

仕事や家庭生活以外の活動となる、働く女性の“B面”を追ってきた今回の連載もいよいよ最終回です。Vol.6では、「これから」と題して、これからやってみたいこと、興味・関心を持っていることを見ていきます。
具体的な活動以上に、彼女たちの興味・関心の対象は今、一段と様々な分野に広がっていることがわかります。

一番やりたいことは、「体を動かすこと」

複数回答が多く、声が分散する中で一番多く寄せられたのは、スポーツやダンスを含めた「体を動かすこと」でした。
「最近、健康はもちろんのこと、体力がないと何事も思うようにこなせないと思うので、定期的なスポーツ」(ふふふ・会社員・34歳)
「体を動かしたい。バレーボールを学生時代以来やっていないので、どこかのチームに入りたいな〜と思っています」(すなお・会社員・36歳)
「長期的には影響に関わる勉強をしていみたいですが、もう少し近いところでは、継続して運動に取り組みたいです」(ロンロン・公務員・38歳)
「スイミングをしたい」(きんぎょ・パートタイマー・53歳)
年代を問わず、健やかでありたいと思う気持ちは同じです。

具体的な名前が挙がっているものとしては、ほかにヨガやフラメンコ、加圧トレーニングなどがありました。

時間的な余裕がないために活動ができないとしていた人の半数近くが、やってみたいこととしていたのが、「体を動かすこと」であるのも印象的です。健康的でかつ、精神的なバランスをとるためにも必要であると、働き過ぎへの危機感を感じているからにほかなりません。
何とか時間を確保できないものかと、その声を聞きながら、心配になってきます。

家族の介護や子育てのために自分への優先順位は今は低く、活動する時間はとれないとした、smile-maririnさん(司会業ほか・47歳)。「ダンスなど、一生続けられるスポーツ。健康であること、身内や他人の手をわずらわせることをしたくない。年を取るなら元気で、意欲のある年の取り方をしたい」とのこと。
「体を動かすこと」への思いは、彼女の言葉が代表しています。

日本を見直したい!?「伝統文化に触れる」

次に多かったのが、日本の伝統文化に関するものでした。
「古典文学の読書。古典も知らずにこの年まで生きてしまったという反省がどこかにあります。川柳も。週刊誌の川柳コーナーに応募して入選して以来、非常に興味津々。17文字に何を切り取るか、知性と感性が刺激されて非常に楽しい」(つる姫・フリーライター・48歳)
「伝統文化にひたることと、体を動かすことを通じて、自己解放と自己表現。ちょっと近頃頭が疲れているので」(meg・建設設計/監理・49歳)
「落語『浮かれの屑より』の習得」(keiko・心理カウンセラー45歳)
「源氏物語以外の古典や平安時代の研究など」(N・文筆業・49歳)
「日本史を勉強し直したい」(shophie・人事コンサルタント・43歳)
「日本の文化・伝統を学んでみたい」(A子・経営者・48歳)
「能の謡と仕舞をならってみたい」(ふげんちゃん・会社員・43歳)

文学から歴史、芸能と分野は様々ですが、日本を知ろう、学ぼうという気持ちが高まっているようです。
40代のメンバーが多いのは、偶然でしょうか。自分のアイデンティティーとしての日本を再発見したいとの思いが表れてくる年頃か、と思えます。

サポートすることへの興味も高い

連載では、地域での活動やボランティア活動を紹介してきましたが、興味・関心としても、誰かをサポートすることを挙げる声が多くありました。
「エコボランティア」(Rika・グローバルファシリテーター・38歳)、「保育ママ」(sacci・電機メーカー事務職・41歳)、「盲導犬ボランティア」(あん・会社員・50歳)などのほか、
「ボランティアをした時間を貯金して、自分や家族に何かあった時に助けてもらえる活動があるのでぜひやってみたい」(がこ・会社員・48歳)
「地域活動で参加できるもの。女性の支援となるようなもの、あるいは子ども対象とした活動などを探してみたい」(ぬらりひょん・フリーライター・47歳)
「住んでいる地域を中心に介護などで大変な方の力になることができないかと、漠然と考えている」(wawa・自営業・38歳)
「絵本の読み聞かせと子ども向け寸劇」(やま・会社員・44歳)

学生時代からボランティアをしてきた、やっちゃんさん(営業事務職・38歳)は、「ボランティアを仕事にした生き方(社会起業家、または、その人たちと一緒に働きたい)」とさらに進めた思いを持っています。

働く女性達の応援をしていきたい、と明解な答えを出したのが、ひまわりちゃんさん(キャリアコンサルタント/講師・55歳)。自身の仕事と大きく関連していますが、「子育て、介護、自分のやりたいことなどと仕事の両立で悩んでいる働く女性を応援していきたいです。具体的には『職場での自分の意見の効果的な発信方法』『パワハラ、セクハラ、メンタルヘルス』での自分の立ち位置をしっかりと持って、頑張りすぎないで、ぶれない生き方を一緒に考えていけるセミナーを実施する、などです。頑張り過ぎて、『何のために働いているの?』と自分を追い込んでいき、体も心も限界を感じている人が多いと思います」と働く女性たちの現在の姿を見ています。

さらには、農業からFP、資金運用も

ここからは、これまで紹介した以外の声を紹介しますが、一人の人が持つ興味・関心の領域の広さに驚かされるばかりです。
「旅のスケッチ画、原語で歌うコーラス、認知行動療法の勉強」(ほどほど・団体職員・68歳)
「手作りアクセサリーのイベント出店(すでに実施予定)」(ナカシー・会社社長・43歳)「心理学と統計学の勉強がしたいです」(クロム・企業の人事担当・46歳)
「FPの勉強、資金の運用、専門分野の勉強、スポーツ」(あひる・会社員・29歳)
「陶芸、茶道、心理学」(タツノオトシゴ・会社員・45歳)
「童歌(遠野地方の伝承わらべ歌)を学び、伝えたい」(無記名・飲食店店長・44歳)
「メイク・スタイリング、所作など人間(男女)を素敵にするすべてのノウハウをトータルで身に付けたい。小説を書く。歌を習う」(ふらん・会社員・54歳)
「自分でコントロールできる自立した生活を送るために、素人でも経済関連に強くならなければと考えています。経済新聞に目を通すなど、まずは日常生活でできる小さなことに取り組んでいますが、なかなか深めるというところまでにはいっていません。今後は何か具体的な目標を持って勉強したいなと思っています」(ME・企画調査・43歳)

ぴぴさん(企業研修講師他・46歳)は、農業を筆頭に、「ハーブ栽培、ビジネスマンへの子育て講座、介護講座」を挙げています。パン作りも始め、「将来の夢は伊豆で自給自足の生活をしてパン屋さんをオープンするため。おしいパンが食卓にあるだけで幸せになります」。
「『野鳥』に関することをもっと極めたい!第二の仕事(定年後とは限りませんが、終の仕事)は野鳥に関わることをしたいので、野鳥の保護や調査、あるいは里山や自然環境保全につながること、もしくは自らが農・林業に携わるなどのこれからの方向性を模索しているところです」(ぷぅ・会社員・44歳)
ぴぴさん、ぷぅさんは、アプローチは違うにせよ、農業へ関心を持っています。

リタイア後も多くの団体の一員として活躍する、みーこさん(元経営者・77歳)は、「自分らしい『エンディング』」とのこと。
先輩メンバーの視線の高さにはいつも励まされます。

人生を豊かするお楽しみがつまっている

20代のアークさん(会社員・28歳)は、「資格やスキルアップの勉強。スキルアップのために本腰を入れて勉強を、と思っていますが、何をしようか今悩んでいるところです」としています。
「朝飯会みたいな勉強会に参加したい。場所はホテルとか少しリッチな勉強会で、テーマは、英会話や古典、読書会、オペラなど雑学でも興味のあるもに参加して、朝からテンションを上げて仕事をしたいと思っています。働くメンバーとコミュニケーションをとりたいです。いずれにせよ、何か極めるぐらいのものをつくりたいです」(スルメ・会社員・49歳)。
2人のように、働き続ける上でのスキルアップはもはや欠かせないもとしてとらえられ、連載の中でも、「学び」としてメンバーが積極的に取り組んでいる様子がわかりました。
同時に、生活の中でなかなか仕事を切り離せない現状も浮かび上がってきます。

「自分が楽しんで成長できると実感できるものなら何でも。音楽・アートなど芸術分野も取り入れたい。家を持つことになるので、その地域との関わりをより強くしていきたいです」(Chico・会社員・35歳)
「自分の成長ぶりを確認できるような趣味をじっくり長い時間をかけてやっていきたいです。老後の楽しみのためにも。中高と吹奏楽部でフルートを吹いていたこともあり、20数年ぶりに地元の仲間と少数ながら合奏を始めています。音は出せるものの、現役時代の見る影もない自分の姿にショック。もう少し落ち着いたら教室に通って、一から練習したいと考えています」(けろりん・研修講師/司会&アナウンス業・46歳)

他者との競争とは異なる、自分の内なる成長に目を向けられる。“B面”にある、時間と空間、そして経験は、人生をより豊かに生き生きと過ごせる、お楽しみがたくさんつまっています。

「みんなどんなことをしているの?」と知るきっかけとなり、新たな一歩を踏み出せるようにとスタートした連載。
思い切りよく踏み出せるように、ポンと背中を押す気持ちで、最終回を終わります。


今回の「いま・未来」会議のメンバー
・年齢;28歳〜77歳(20代4%、30代18%、40代62%、50代11%、60代以上5%)
・雇用形態;正社員45%、フリーランス22%、経営者18%、公務員5%、団体職員1%、パート・アルバイト2%、派遣社員2%、そのほか4%