「女性は働きやすくなった?」
Vol.3 女性にとってフェアかどうか
第4号 2008-11-12
「女性は働きやすくなった?」をテーマにしたシリーズの第3回めからは、働く女性の現状に焦点を当てていきます。
第3回目のトピックは、
「女性にとってフェアかどうか」です。
労働者を性別により差別してはならないことを基本的理念とした男女雇用機会均等法が1985年に制定されてから23年経ちましたが、私たちの働く現場ではどうでしょうか?
「仕事の内容や進め方、昇進などの場面で女性であるために『フェアではない』と感じたことはありますか?」という質問に対し、「はい・いいえ・どちらでもない」の3つの選択肢とそう思う理由を答えてもらいました。

その比率は一目瞭然。過半数のメンバーがフェアではないと感じでいます。自身の勤める会社や過去に会社勤めをしていた頃の出来事をもとにその理由が語られています。
まずは、仕事の内容・進め方についてアンフェアであると訴える声がありました。
「いまだに女性は補助的作業の役割だと捉えられている部分がある」(40歳・商社・18年)
「職場の性別分業からくる職域や仕事の分担の偏りが残っている。長時間働けることをよしとする職場風土がなかなか変わらない」(67歳・団体非常勤理事・40年)
「入社の条件は同じでも、育成のされかたが微妙に違っている。女性は上級管理職になることを前提とした育成をされないことが多い」(46歳・メーカーのダイバーシティ担当・23年)
「具体的に与えられる仕事量・質・研修の量などが当初は違った」(36歳・会社員・15年)
「新聞社に勤めていた20年以上前の話なので、今は変わっているかもしれないが、女性下着や子ども服の取材は『女性にやらせろ』と自分に回ってきた。“女ジャンル”の仕事にとどまる限り、自分の成長にもガラスの天井があると思った」(48歳・フリーライター・ 25年)
「女性特有の仕事があったから→お茶くみ、コーヒー入れ、電話の受け答え、お客様の取次ぎなど。女性がする方が望ましいという理由で、女性の仕事だった。今は、男性がしている。それで何の支障もない」(43歳・販促企画・26年)
評価は男性対象で、女性は対象外。ワーキングマザーはマイナス評価につながる!?そして最も多かったのが、評価面でのアンフェアでした。
「女性の管理職はいない。何年働いても役職につけない」(32歳・会社員・10年)
「能力主義ではなく、女性は早くて5年以上勤めて主任レベル。昇進へつながるセミナーへ参加も男性のみの参加であり、それ以上の昇進は見込めないという雰囲気が会社に漂っている」(パーソナルデータ未回答)
「男性であれば体力があると見なされ、より厳しい仕事を与える傾向がある。それが成長のチャンスにもなる。しかし、女性は最初からそういうチャンスが少なすぎる。男であるというだけで昇進する人が少なくない」(43歳・新聞社勤務・19年)
「女性の管理職は極めて少なく、女性管理職の人を見てもなりたいと思えない。また、女性の中でも、総合職・一般職の人の違いがあり、入社当初の職種で給与や昇進が決まってしまい、入ってからの実績は評価されない」(28歳・会社員・5年)
「社業の内容から、男性優位。男性の価値観ですべてのことが決まっている。経営者自らが女性は家庭にいるべきだという考え方をもっているので、それ自体が問題だと思うが」(38歳・会社員・16年)
「結婚せず子どもも持たず仕事に専念し、男性以上にいい成果を出している女性の先輩方で、大事な会議からはずされたり管理職の昇進レースで敗れたりする例をみたとき」(パーソナルデータ未回答)
「ある時点から役付手当をもらっているが、実際の肩書きはついていない。男性ではありえないこと」(パーソナルデータ未回答)
会社での評価制度が年功序列制であっても能力主義であっても、その評価対象者は男性のみで、女性であることで、評価の対象から外してしまう会社が多いということを感じます。
採用や就業規則、評価・昇進のシステムには男女の区別は明言されていなくても、会社の雰囲気や暗黙のルールによって女性は評価されないという現状があります。
さらに、ワーキングマザーであるがゆえにフェアではないと答えた人もいました。
「子どもがいることで、昇進はしなくてもいいよねという暗黙の了解のようなものを感じたり、評価面で相対評価である場合、必ず落とされている現状があるから」(38歳・会社員・16年)
「就業規則にも書かれていることなので仕方のないことかもしれないが、育児休暇をとった際、年度内に出勤日数が満たない場合は、評価が得られないことがあった。」(43歳・会社員・24年)
「いつも評価のときは、『頑張っているけど、短時間勤務だから』と言われる。3年間かけてようやく第一子妊娠前の評価に戻った。」(35歳・会社員・13年)
「育児休業からの復帰後に残業不可の旨を上司に話したら、雇用契約変更の話を持ちかけられた。残業ばかりしている男性社員が管理職になっていき、勤務時間に制約のある女性社員には一向に仕事を任せてくれない。(結果、女性社員はキャリアアップ出来ない状況)」(30歳・会社員・8年)
「どうしても出産・育児については、女性は一時期あきらめざるを得ないことが多い。また、後々ハンディにもなりうる。長い目で見れば、働き方を変えることはプラスになったと思えるが、当時はまだまだ働きたかったので、くやしい思いを持っていた」(47歳・会社員・24年)
職場環境や働き方によってはフェアにでは、「いいえ」と回答したメンバーの理由はどうなっているでしょうか。
「入社時点で配属された部署の上司の考え方が革新的であったため、女性であってもフェアに扱われてきた」(44歳・海外営業・22年)
「女性の多い職場であり、女性の上司もいるのであまり感じない。ただ仕事関係先は保守的な人がまだ多く、雰囲気として感じることはある」(パーソナルデータ未回答)
男女を区別することなく評価をしてくれる上司や会社で働いていると、女性であるがゆえの壁を目の当たりにすることはないようです。
または、「女性として見られたことがない。男性と同じカテゴリーで仕事をしてきたから」(41歳・会社役員・20年)のように、男性並みに働いていると評価も結果としてついてきたのでしょうか。
「どちらでもない」と回答した方々は、直接自身にフェアではないと感じたことがなくても、周りの女性を見ているとフェアではないと思うと答えています。
「他の女性に対して昇進などの意識を持たせる働きかけをしていないので、必然的に上に行くにつれて男性のみになっていく。個人の意識の問題かもしれないが、会社としても女性を育てていくことを考えるべきだと思う」(34歳・ホテルのPR/マーケティング担当・8年)
「責任者や役職者に女性が増え、打ち合わせ時に男性ばかりという場面は少なくなった。しかし、決定権は男性にあるという印象もいまだ大いにある」(45歳・フリーランス・23年)
「自分にはあまりデメリットはなかったが、社内ではフェアに扱われていない事例もあるため」(43歳・会社員・21年)
社内は男女平等であるが、現状としては男性の管理職の方が圧倒的に多く、昇進も早いと感じる」(48歳・会社員・19年)
いつになったらフェアになるの?全体を通して見ると、会社が女性に対してどういったスタンスで仕事を任せるか・評価するかが大きく影響しているようです。そして過半数の会社が女性をフェアに扱っていない現状があります。その会社の文化や暗黙のルールにより正当な評価を受けられない隠れた差別が多くの会社に残ってると思われます。
男性の価値観で決められた仕事の内容や評価に合わせると、家事・育児の負担から体力や勤務時間に制約が出てしまう女性はどうしても成果を出しにくい状況になります。
男女雇用機会均等法の理念が一般企業に浸透し、日本の働く女性が堂々と活躍するのはいつの日でしょうか。私たちが声を大にしてこの現状を世の中に訴えること、そして諦めずに働き続けることが大切かもしれません。