「女性の政治参画、現状をどう思う?」
Vol.3
第2号 2007-10-26
《日本の女性の政治参画の現状をどう思いますか?》
この問いに対し、複数のメンバーが挙げた意見がありました。それは、「政治の世界では今も、女性が『お飾り』として扱われているのではないか」ということです。
「広告塔や『職場の花的』(古い言い方だが)な存在と感じることがある。マスコミの騒ぎ方も影響していると思う」
(あみー・47歳・事務職)「お飾りや人気集めのための『パンダさん』がいるのが嫌だなあと思います」
(ころん・46歳・講師)
もちろん、「少しずつではあるけれど、女性の政治参画は進んでいる」との意見もあります。確かに、女性知事、市長は増えています。現在、大阪、滋賀、千葉、北海道、熊本の5道府県は、女性知事です。全知事の1割を占めるまでになりました。
「地方政治に続々と女性の首長が誕生しているのは、いいことだと思う」
(ふくろう・47歳・文筆業)「今回の参院選で、いわゆる素人の、働いてきた同世代女性が多く立候補していたのは、心強かったし、うれしかった」
(まゆみ・42歳・外食サービス)ただ、ふくろうさんは、こうも指摘しています。
「市民レベルでの政治参画はまだまだ。政治の話題を気軽に、日常的にしない土壌が邪魔をしている。家庭や学校教育の現場から、政治に関するテーマを取り入れるべきだ」
同様に
「政治そのものに関心が低いことが、男女を問わず問題だと思う。日々の生活がすべて政治に関わっているという意識が低い」
(ぬらりひょん・45歳・フリーライター)という意見もありました。
「政治以前の問題」を指摘する声も複数寄せられました。
「ひとりの社会人として立つことができなければ、政治参画は難しいと思います」
(こりん・52歳・企画)「政治参画以前の壁が依然あると感じる。未だに『女性』が冠についたり、話題になりすぎたり。周囲の軋轢への対応でエネルギーをとられている」
(にのえ・46歳・マスコミ)
「女性自身の、女性に対する考え方」を問題として挙げた人もいました。
「女性は確かに社会経験や政治の経験、組織での経験が浅い場合も多いですが、実態以上に女性のことを『頼りない』とか『視野が狭い』とか『思想的に偏っている』などと思い込んでいるケースも多いのではないかと思います」
(くろ・45歳・企業のダイバーシティ推進)寄せられた意見からは、女性の政治参画という基本的な部分で多くの課題があることが分かりますが、最後に、もう少し踏み込んだ議論として、「働く女性」にかかわる具体的な政治課題を考えてみたいと思います。メンバーが「今、政治の場で議論してほしい」と思っていることは何なのでしょう?
やはり、多かったのは「働き方」あるいは、労働に対する意識の問題。「女性の問題」としてではなく、男女問わず、日本の労働環境全体について議論してほしい、という意見が目立ちました。
「子育て世代に限らず、時短、仕事と私生活の区別。『滅私奉公』は時代錯誤になることを切に願います」
(エビムラ・44歳・教職員)「長時間労働や子育て支援などは、働く女性だけの問題でなく、男女ともに考えていく問題と捉えたい。自民党の一部政治家による、女性や家族に対する固定的な考えは、いい加減破棄してほしい」
(けろけろ・44歳・フリーアナウンサー)「女性も男性も同じように、一生働くことは、ごく当たり前のことなんだと、職業意識を啓蒙する教育を考えてほしい」
(まりりん・42歳・会社員)もちろん、「子育て」をめぐる問題を挙げた人も数多くいました。
「やはり、子育てが女性の負担になっている現状を早急になんとかしていただきたい」
(アンジー・52歳・事務員)
「子育てに関すること。現実には支援を受けられるラッキーな人しか、仕事が続けられない環境にあります。仕事をする意欲がある人には、本当に両立できる支援策を考えてほしい」
(すなお・34歳・人事)「具体的で有効な子育て支援。子育て支援センターなどの『箱もの』を作ることに終始する政治家とは違う発想で討議してほしい」
(まゆみ・42歳・外食サービス)このほか、複数の人からテーマとして挙がったのは、介護問題、環境問題、夫婦別姓の問題でした。
「子供がいない人だって、支援してほしいことはいろいろとある。介護・老後の問題。環境の問題も大事。まずは政治家から変わっていき、真剣に取り組んでほしい」
(ナナぽん・42歳・事務職)
「強いて言えば、環境問題。温暖化、農作物のことなど。これからの子供たちのことを考えても」
(あみー・47歳・事務職)などです。
「個人的には『働く女性』にかかわる政治課題は、政治によって本質的な解決は難しいと思う」
(すず・40歳・会社経営)という厳しい意見もありました。
「全体的に議論してほしい。一つの課題を対処療法的に解決していくのではなく、問題を根本的に突き詰めてから、それを改善してほしい」
(みなみ・29歳・ソフトウェア開発)と、個々の課題を超えた議論を求める意見もありました。
「日本の財政を真剣に考えてほしい。国の借金を増やしすぎ」と、財政問題を挙げた人もいます。「女性のほうが平均賃金が低く、医療・保険制度や年金制度の改悪によるデメリットの影響を受けやすい」と、医療・保険問題を挙げた人もいます。関心のある政治課題はそれぞれですが、みなみさんの意見が示唆するように、私たちは、政治の場で議論されるすべての問題が自分の暮らしに結びついていることを意識しておかねばならないのでしょう。
今回の「いま・未来」会議の意見をきっかけに、女性と政治、私たちの暮らしと政治、この国の現状と将来を考える機会にしてもらえれば、と思います。福田新内閣が発足したばかりですが、そう遠くない時期に総選挙もあるでしょう。そのとき、あなたは一票に何を託すのか? 今から考えておくべきかもしれません。
●今回の「いま・未来」会議メンバー
年齢: 29~55歳(20代 4%、30代 17%、40代 67%、50代 12%)
家族環境: シングル29% DINKS29% ワーキングマザー42%