「職場の人のあの一言に救われました!」
Vol.1
創刊1号 2007-08-24
働く女性たちで構成する「いま・未来」会議がいよいよ本格的にスタートします。
前回のゼロ号を経て創刊1号からは、参加メンバーの数も2.5倍と大幅に増員しています。
仕事や暮らしに関わるトピックを投げかけ、働く女性たちの生の声を聞き、そこから見える、「いまと未来」を描いていきますので、ご期待ください。
今回のトピックは、「職場の人のあの一言に救われました!」。
言葉の力を信じる・・・とは、どこかの新聞社のコピーのようですが、人から掛けられた、さりげない一言や叱責するような一言に、心を動かされた経験は誰しもあることです。
とくに働く中ではトラブルに直面したり、仕事や人間関係に悩んだりすることは、少なく ありません。働く女性たちはどんな言葉によって、それを乗り越え、気持ちを奮い起こし、 その後の働き方に影響を受けてきたか聞いてみました。
声を掛けられた時の様子などから、3つのシーンに分けてお届けします。
場面ごとに、働く女性たちを取り巻く、様々な状況も垣間見えてきます。
1回めは、トラブルに直面したり、突発的な出来事が起きた場面の一言です。
「今はしんどいけれど俺も頑張るから、頑張れ。明日のこの時間には笑っていられるはず」
(職場の先輩から)
まだ20代で若く、右も左もわからないのに急にその日が忙しくなって、女性の先輩は休み。何からすれば良いのか、わらかない状況で、多分悲愴な顔をしていたのだと思う。先輩自身も自分に言い聞かせていたように思う。
気持ちがいっぺんに軽くなった。それから今まで同じような状況になると、その言葉を思い出す。映画”風と共に去りぬ”の「明日は明日の風が吹く」に似ているかな。
(あみぃ・46歳・事務職)
「あんたに任せた私の責任や。今から何言うてもしゃあない。今後もっと気をつけるようにして。よっしゃ、後は私に任せて自分の仕事しぃ」
(上司から)
上司の書くはずだった記事広告を出張の都合で、取材から全部任された。発行日の朝、印刷された物に間違いがあったが、すでに配布された後。とにかく対応をと処理にあたり、一言も責められることはなかった。チェックは先輩も一緒にやり、校正を完了した後も、もう一度チェックするなど、いつも以上に慎重にやったのだが・・・。そんな言い訳や思いは、叱られも責められもしなかったので、言えず。叱られた方がまだ気楽だとも思った。ひと段落した当日の午後、上司は明るい話題で冗談を言い、私が落ち込んでいる間、その件に触れることなく、気遣って、元気づけてくれた。
この人に会えたことが自分の宝物だと自覚した出来事だった。小さなことから、大きなことまで、人に何かを頼むときに、「これがトラブルになった時、あの潔さで同じセリフを言い、行動し、人のせいにしない覚悟を決められるか」と考えるようになった。
(ころん・46歳・趣味の教室講師)
「がんばれ、命まで取られないからね。みんなついているから安心せい。本当にご苦労さん」
(部長職の上司からメールで)
営業をしているが、取り扱い商品が納期に間に合わないことがあった。その取引先にもう一人の担当者と出向き、先方から二人でかなり大声で叱られ、客先で涙したときに、それを察知したように、ちょうど上司からメールが入った。
「命が取られるわけじゃない」というのは極端な話のようだが、それくらいの心持ち(気楽に行け?)で良いんだと思ったら、少し安心できて、それ以来あまり物事を難しく考えず、何とかなると思えるようになった。
(アーク・26歳・営業職)
「見てる人は、ちゃんと見てるから」
(上司から)
10 年ほど前、サーバー運用の実務担当していたとき。トラブルが多発し、深夜や早朝に作業をしていたが、対応作業が頻発して疲れてきたこともあり、出勤時間をフレックスで9時半とホワイトボードに書いていたにもかかわらず、実際は、9時35分頃に出社。「誰もあまり気にしていないからいいや」と思っていた。そんなときに、『見ている人はちゃんと見ているから、きちんと決められた時間に来た方がいいよ」と上司からこっそりアドバイスを受けた。
私がいつ会社に来ているかは、誰も何も思っていないと考えていたが、その事について注意を受けたこと、つまり私の何気ない行動を見ている人がいることが非常にショックだった。ただし、その上司は私の仕事を非常に評価してくれた人なので、善意でのアドバイスということもわかり、後で考えると非常にありがたいことだった。その後、仕事が忙しくなったり、大変になったりする度に、その言葉を思い出して、いくら忙しくても投げやりになったり、いい加減にせず、きちんと丁寧に手を抜かないようにしようと、考えるようになった。
(かがみ・41歳・システムエンジニア)
「○○ちゃん(私)がいなくても、何とかなるのよ」
(母親ぐらい年上の同僚から)
学生時代のこと。バイトのかけ持ちをしていてかなり忙しかったが、バイト歴も長く、頼られていると思っていたので、体調が悪い日が続いても、休むとみんなに迷惑がかかると思い込んでいた。
言われた瞬間は、「そんなことはない」と思ったが、よく考えるとそうだった。世の中、偉大な人が亡くなっても何とかなっている。そう思うと無理して仕事・バイトで体を壊すより、自分を大事にしようと思うようになったし、自分の代わりはいくらでもいると、気づいた。きっと可愛がってくれた人に言われたから素直に聞けたのだと思う。
その後、前の私のような考え方をして、無理して仕事をしている友人に、「仕事より自分の方が大事やで。休んだって職場は何とかなるもんやで」と言ったが、聞き入れてもらえなかった。しばらくして、鬱病で入院。私は気づかせてあげることができなかった。
(のく・36歳・医療関係)
「うん、それでいい。後はわたしがやる」
(上司から)
創刊したばかりの媒体の編集部で、編集長と私、後はアルバイトという状況で半年ほど経った頃のこと。取材した先から、届いた掲載紙に不備がある、と怒りの電話がかかった。取材した女優のインタビュー記事で、こともあろうに顔の部分にインクがべったりだ!と言う。急いで調べたところ、きれいなのとそうでないのがある。写真原稿やゲラはもちろん間違いない。
編集長も外出中で、帰社は夕方。20年前の当時は携帯もまだなく、連絡はつかない。こんなトラブルは対処したことがなく、どこまでやってしまっていいか分からない。とにかく、できるだけの情報収集と対応をと考えた。初めて直接印刷会社に連絡して説明を求め、きれいな掲載紙をチェックして、先方の掲載紙と交換してもらい、原因究明中なので、詳細は後ほど編集長から説明しますと謝罪した。印刷会社の担当者が来社し、説明を受けているときに、編集長が帰社。「これで良かったのか?」と不安に思いながら説明した後の第一声だった。
きっぱり簡潔に「うん、それでいい」と判断・行動を肯定してもらえ、安心し、うれしかった。「あとは、私がやると引き受けてくれて、頼もしく思い、信頼感を増した。自分に自信がつき、「この人に付いて行こう!」と心から思えるようになった。困難な時には、「あの人だったらどうしただろう」と考えて決断するようになった。今もプライベートで親しい間柄が続いている。
(にのえ・46歳・情報紙編集)
目の前のトラブルやアクシデントですくんでいる気持ちを解きほぐしてくれたり、逆に背筋を伸ばしてくれたり・・・。上司や先輩、同僚の一言は、日々の仕事や働き続けている”私”に、化学変化をもたらしてくれます。
<次回に続く>