Vol.2

「あなたは長く働けますか」

Vol.2 

創刊ゼロ号 2007-07-27

働く女性たちで構成する「いま・未来」会議。「あなたは長く働けますか?」のトピックが続きます。今回は、15年以上働いてきた人に、なぜ、あなたはその年月を働いてきたのか、何があなたを働き続けさせたのか、ずばり聞いてみました。
すると、誰にも共通する答えが・・・。

「生きていく上でお金が必要だから」
「自分の生きる糧は、自分で稼ぐのがあたりまえだから」


当然じゃない。あなたはそう思いますか? 自分は長く働き続けられるだろうかと「漠然と」不安に思っている人とは、少し違うようにも思います。長く働き続けている人は、経済的に自立してなければ意味がない、と「腹の底から」思っています。ただし、なぜ、そう思っているかには、それぞれの理由や事情があります。

「夫のお金だと、本当に生きていることにならないと思うから」
(くろ・44歳・企業のダイバーシティ推進担当)


「大学入学と同時に親元を離れ、一人暮らしをしていたので、就職後も自活が当たり前だったに過ぎない。結婚が遅く、出産の経験がないから、ここまで来られたとも思うけど」
(ぬらりひょん・44歳・フリーライター)


「高校生ぐらいから、自分の食いぶちは自分で稼ぎたいと考え、大学や就職先を選択しました。その思いが実現できてることはうれしく、満足している。本当に経済的な自立は大切だと思う」
(かがみ・42歳・システムエンジニア)


「両親から自立したかったし、結婚退職が当たり前の職場で、私は結婚しても働き続ける女性として後輩へ道をつけていこうと思ったから。上司と何度も衝突したけれど、後輩たちに恵まれた」
(にゃんチュウ・42歳・事務職)


彼女たちを見ると、経済的に自立することが大切だ、それがいの一番だという信念が揺らいでいません。
これまで育ってきた家族の環境も、少なからず働く女性に影響を及ぼしています。

「赤ん坊の時に母が亡くなり、そのせいか女性の視点を持ち合わしていないように思う。男化したタイプとして働いてきた」
(すず・40歳・会社経営)


「母親が仕事をしていたため、結婚にかかわらず仕事をすることに疑問を感じていなかったんです。自分の生活は自分で支えるつもり。家にずっといるのは苦手だし」
(ブラック・45歳・役員秘書)


「叔母たちが70歳近くまで会社員として働いていたので、仕事や会社の話をよくしました。だから、私も長く働いています。ただ、自分にあった仕事がほかにあるのではと悶々と過ごす日は多いんですけどね」
(あみー・46歳・会社員)


「父の会社の倒産と両親の離婚、財産の喪失という経験があるため、自分で稼ぎ、自分で家を建て、しっかり守っていこうという意識が強い。若いころから自立心がついていたと思う」
(つる姫・46歳・ジャーナリスト)


「最初は結婚したら、辞めるつもりでしたが、結婚相手が働き続けることを望みました。時には辛く、続けることは無理と思ったこともありましたが、上司の差別的な発言に怒りを覚え、続けようと思いました。なにくそっ、て感じ」
(あつべえ・41歳・会社員)


働く女性のすべてが「お金のため」「自立するため」だけに長く働いてきたのではありません。もう一つ、大きな理由が彼女たちを長く働かせています。

「仕事自体がとても楽しいので。ゼロから産み出す楽しさ、形にしていく楽しさ、できあがった時の達成感。一つ終わったら次はこれ次はこれ・・。もちろんやりたくないこともあるけど、基本的には自ら選んでやっていくことができる」
(ぷぅ・42歳・企画開発)


「働き始めて18年間、転職も休職もなし。長く働いてきたと感じているけど、仕事が面白かったから、の一言につきます」
(やおや・42歳・マスコミ勤務)


「仕事を通して出会う事柄や人間関係が、自分を鍛えてくれることがおもしろいから。万一、大金持ちになって働かなくても経済的にはOKよ、ということになっても、私は働く方の道を選ぶ」
(チャコ・46歳・自営業)


こんな声もあります。

「仕事をしたくない一心で専業主婦になったのは23歳でした。自分の健康について勉強したのを機に、健康食品の販売を始めました。その後、離婚を決意して就職、シングルマザー時代にはもっと自分がしたい仕事へと転職したけど、その会社が廃業。再婚と妊娠を機にフリーランサーへ。次の出産を機に仕事をほされ、義母の介護も発生。いろいろな経験とともに仕事を変わりましたが今も働いています。離婚前は単に貧乏性で働いたけど今は違う。働いているのが好きだから働いている」
(ろころん・46歳・趣味の教室講師)


「仕事は自分であることの一部だもの」
(ぬらりひょん・44歳・フリーライター)


目の前の仕事がおもしろいだけではなく、誰かに役立っている、社会に貢献していると実感できていると、それがエネルギーになります。

「仕事を通して少しずつ自分が進歩していると感じられ、会社や社会に少し役立っているのではと思うことが私を働き続けさせてくれます」
(かがみ・42歳・システムエンジニア)


人生の中でのつらい経験が、思いがけず次の扉をあけてくれたり、背中を押してくれることもあります。

「転職3回、あっと言う間の20年でしたが、働き始めたころの“甘い”自分の心構えや姿勢を考えれば、よく20年もやってこられたなと思います。29歳で何も考えず結婚退職し、2年後に配偶者が亡くなった。その時を境に、自分にとって働くことが人生の基盤を支える大きな要素だと、遅ればせながら気付いた」
(まりりん・42歳・会社員)


「29 歳で結婚した後、悪性腫瘍がみつかり、手術と放射線治療のために休職。職場に復帰しても配置転換になり、慣れない業務と後遺症で精神的・体力的に滅入りました。働いた本当の理由は、「再発・死」への恐怖から逃げたかったから。大学に行くための費用もためたかったし。仕事に打ちこむことで死の恐怖から逃れられたし、同僚や後輩に恵まれ、辛いときにはダンナや元上司に励まされ、今年で11年になります」
(にゃんチュウ・42歳・事務職)


若い時期には、これからおこるかもしれない不安なことに、「私は長く働けるだろうか」と足がすくむのかもしれません。大きな経済環境の変化の中で、自分がどの位置に立ったらいいのか、戸惑うこともあります。
誰にも想定外の出来事は起きますが、これまで長く働き続けた人は「生活にはお金が必要だから」「仕事が好きだから」「会社や社会に役立つことがうれしいから」「働いている自分が好きだから」働いています。
では、彼女たちはこれからも長く働き続けていこうと思っているのでしょうか。何か、心配事や不安はないのでしょうか。
<次回に続く>