「あなたは長く働けますか」
Vol.1
創刊ゼロ号 2007-07-20
みなさん、こんにちは。働く女性たちで構成する「いま・未来」会議をweb上で始めようと思います。仕事や暮らしにかかわるトピックを投げかけ、働く女性たちの生の声を聞き、そこから見える「いまと未来」を描いていきます。
まずは創刊ゼロ号として4回お届けします。今回のトピックは「あなたは長く働けますか?」
今回のトピックは、あるキャリアコンサルタントのつぶやきから始まりました。
「転職活動をしている女性たちの多く・・そう、9割が同じ質問をするの。けっしてその質問、男性の求職者はしないのに」
何だと思いますか、転職活動をしている20代から30代の女性が口にする共通の質問とは・・・。
「長く続けられる仕事って、ありますか」
「この仕事は長く続けられるでしょうか」
ほとんどの人がこの問いをすると言うのです。この質問には、長く働き続けたいと思っている希望と、長く働けないかもしれないという現実への不安、その二つが垣間見えます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、企業で働いている人の平均勤続年数は男性13.5年に対して女性は8.8年(2006年)。もちろん業種や職種によって異なりますし、定年まで働く人もいますが、非正規雇用が増えている中で、自分がこの先、長く働き続けられるのだろうかと不安に思う女性は少なくありません。
では逆に、彼女たちより先輩の世代、ずっと働き続けている女性に聞いてみることにします。「あなたは何年働いていますか」「それを長いと感じていますか?」と。
「学生時代からアルバイトしてきましたが、正社員としてのスタートはちょっと遅く、今年で9年目。本当の意味での仕事はまだまだです」
(あい・33歳・ホテル広報)
「22歳で就職して7年目。途中で1年の育児休暇をとりました。まだ長く働いているとは思いません。一人前の仕事はこなせてないし、経験がまだ足りないから」
(みなみ・28歳・ソフトウエア開発)
あいさんやみなみさんは、正社員として働き、専門の仕事に就いています。が、キャリア10年未満の現段階では、それほど長く働いてきたと思っていません。そもそも何年ぐらい働き続けたら、「長く働いてきた」と実感するようになるのでしょう。
「いま18年目。働いてきた年月を長いか短いか考えたことはなかったけど、厚生年金受給資格の年月に対して『だいぶ来たな!』と感じます」
(すず・40歳・会社経営)
「学生時代のアルバイトは別にして、就職して25年目。やっと年金全額もらえるぜ! と思うと、長く働いてきたと思いますよ」
(ぷぅ・42歳・企画開発)
国民の大きな話題の一つ、年金の受給資格は働く人生を考える上で、大きな尺度になるようです。
「24年目。長く働いていますよ、だって働いてきた時間が自分の年齢の半分を超えたんだもの。でもこの先も同程度に長い。今以上に長い未来があるのかも」
(つる姫・46歳・ジャーナリスト)
「23歳から働き始めました。定年が60歳なら折り返し地点は過ぎたので、まぁ長く働いている方でしょうね。でも『65歳定年』になったらまだ半分も過ぎてないか・・。先は長い!」
(くろ・44歳・企業のダイバーシティ推進担当)
「短大を卒業後、無我夢中で20年間。そんなに勤め人をしてきたんだなぁと思うけど、これから先の20年、30年の方が長そうに感じます。だって、今までより先の方がちょっと不安だから」
(こいさん・42歳・事務職)
自分の年齢や会社の定年などを「尺度」にするなら、20年から25年働いてくると、まぁまぁ長く働いてきたな、と思うようです。働く人生をマラソンに例えると、その頃が「折り返し地点」。しかし、女性の寿命は長く、定年もこれから延びていきそう。働く人生の未来も長いと女性たちは実感しています。
一方、つる姫さんやくろさん、こいさんと同じぐらいの年月を働いてきたのに、それを長いとは感じていない人もいます。
「高校を卒業してから23年目。独身の時には長いなと思ってたけど、結婚してからはあっという間に過ぎてきた。この間に子どもを3人産んでいます」
(あつべえ・41歳・会社員)
「短大を卒業してから26年。数字にすれば長く働いたと思うけど、あっと言う間で早かった。病気休職や転職も経験しました」
(あみー・46歳・会社員)
「働いて25年目ですが不思議に長く働いてきたと感じたことはないです。職場を4回変わったせいかなぁ」
(ブラック・45歳・役員秘書)
あつべえさん、あみーさん、ブラックさんは、さらりと「長いというより、早かった」と話していますが、働いている間には、この3人が経験した以上に、実にいろいろな出来事が起きます。結婚や出産、子育て、転勤、転職、会社の倒産、仕事上のトラブル、不本意と思える処遇、人間関係のこじれ、病気、介護、家族との離別や死別・・・。誰の人生も、実は山あり谷ありのはずですが、なぜ、その年月をあまり長いと思わずに働いてこられたのでしょう。何が彼女たちを長く働き続けさせたのでしょうか。
<次回に続く>