
| Vol.1 「働く女性の時間割」 |
| Vol.2 「働くことに対する意識」 |
| Vol.3 「女性にとってフェアかどうか」 |
| Vol.4 「働きやすさの実感」 |
| Vol.5 「出産・子育てに悩む」 |
| Vol.6 「心身を病むということ」 |
第4号 2008-10-15
よこの会は来年(2009年)、設立25周年を迎えます。
その節目前に、一つの疑問を自分たちに問うてみました。
「この25年で女性は働きやすくなった?」
今回の「いま・未来」会議では、このテーマをもとにアンケート調査を実施して、メンバーを増強しました。
そこに表れる、わたしたちの時代の断面を9つのトピックから連載して新シリーズとしてお届けします。
第一回めのトピックは、「働く女性の時間割」です。
一日は24時間。あなたはどのように時間を使っていますか?
平均的な平日を通勤・労働、睡眠、家事・育児、自分だけの時間と4つに分けた時間配分から、働く女性の一日を聞いてみました。
未婚女性は労働時間が長め。意外としっかり睡眠
誰もが同じ条件の下で働いているのではなく、それぞれに生活する上で、背負っているものがあります。それは子供であったり、親であったり、パートナーであったり。
そこでメンバーの全員の平均のほか、既婚で子どものあり・なし、未婚での比較を中心に分析します。

まず、仕事・通勤時間です。メンバーの88%は、フルタイムで働いています。大阪府の女性有業者の平均通勤時間は片道50分(総務省「平成18年社会生活基本調査」)というデータがあり、この通勤時間を除いて平均すると、実質就業時間は8時間から10時間といったところ。厚生労働省が発表している実労働時間平均、8.3時間(平成20年7月調査)とメンバーの平均とほぼ同じ時間です。多少の個人差はあるにせよ、心配していた残業時間は案外少ないのではと思われ、とホッとします。ただ、未婚の方が、既婚よりも平均して、1時間30分ほど、仕事・通勤時間が長いという傾向が出ています。
意外にしっかりと取れていると感じたのが、睡眠時間です。体が資本で、まずは健康第一!大阪府の女性有業者の平均睡眠時間は7時間(総務省「平成18年社会生活基本調査」)ですが、アンケートの平均は、6.4時間。プラス0.3時間が既婚(子どもなし)、マイナス0.6時間が未婚となっています。
眠りは、浅い眠りであるノンレム睡眠と、深い眠りであるレム睡眠の2種類からできているとか。その周期は、基本的に90分単位で、各単位の終了時ごとに目覚めやすくなり、寝入った時刻からおよそ4.5時間,6時間,7.5時間後に起きるようにすれば、目覚めの気分もよい、とされています。睡眠も効率的に、試してみてはいかがでしょう。
最後に、家事・育児と自分の時間の2つの項目について。数字を見て明らかなのは、予想通り子どもを持つことにより、家事・育児の時間は増え、反対に自分だけの時間は少なくっていることです。未婚の場合の家事・育児の時間は、週末にまとめて行なうことも多いのか、平日は30分という回答もありました。子どものいる既婚者よりは、2.9時間少なく、一方で自分だけの時間は、2.1時間増えています。が、その差は約1時間。睡眠時間も少ないこともあり、その分が仕事に使われているのでは、という様子がうかがえます。
働く女性は、読書好き
自分だけの時間はどのように過ごしているのでしょう。自由回答してもらったところ、圧倒的に多かったのは読書。最近はメール・ネットの割合が大きくなってきている印象もありますが、読書の根強い人気を再確認しました。とくに、既婚で子どもありの女性で42%、子供なしの女性では72%が読書としています。「すてきな本との出合いを求めて、図書館や本屋めぐり」(43歳・公務員・20年)と回答した人もいました。最近、子供の読書時間が少なくなっていると耳にすることがあり、まずは大人が本を読む姿勢を見せたいものだと感じます。未婚の場合は、読書は32%という低い結果でしたが、一人で行動する時間が取りやすいため習い事や友人との会食に時間を使っているためでは、と考えられます。
自己啓発のために自分だけの時間を費やす人も少なくありません。「転職勉強中」(28歳、会社員、5年)や資格試験、さらには、働くことを中断して、学校に通い始めた人もいます。「アロマで入浴」(48歳、会社員、29年)、「スポーツ」(49歳、自営業、2年)と、心身ともにリフレッシュする時間を自分のためとしている人は40代後半に多くみられ、「ぼーっとする」と答えた人は年齢に関係なく幅広く見受けられました。ユニークなところでは、「夢想・妄想」(48歳、フリーライター、25年)という人も。「ぼーっとする」と並んで、一番のリフレッシュ法かも知れません。
そのほかには、「夫と話す」(41歳、マーケティング、19年)や「NPOの活動」(67歳、団体非常勤、42年)、「食事は自分にとって大切な時間。昼食1〜2時間、夕食2時間程度かけて楽しくリラックスして過ごす」(75歳、幼児教育、40年)など、それぞれに大切にしているものがうかがえます。また、「持ち帰った仕事をする」(35歳、会社員、13年)と、仕事の続きも2人いました。

生活の中で、家事に費やす時間は昔に比べてずいぶん少なくなり、情報も瞬時に手に入れることができるようになりました。
その中で、ただ時間に追われるようにして過ごすのではなく、会議で進行するように、一日の時間の割り振りを考えてみるのもおもしろいのでは。限られた時間の中で何を大切にし、何を優先させるのか。改めて自分の時間割を作り直してみると、そこから違う一歩が踏み出せるのでは、と思います。
「この25年で女性は働きやすくなった?」をテーマにしたシリーズの第2回目をお届けします。
今回のトピックは、「働くことに対する意識」です。
「どう働く?」「何のために働く?」という、シンプルながら、働く女性なら誰もが一度は立ち止まり考えこんだことがある質問です。
一般の女性よりも多く、メンバーの転職経験は約4割
まず、転職経験の有無を聞いてみました。終身雇用がもはや過去の話になりつつある昨今、転職は取り立てて珍しいことでもないという感があります。ここで一般的な転職動向を見るために総務省「労働力調査年報」より年齢層別転職率をみてみましょう。結果を見てどんな印象を持つでしょうか?

意外と低いなと感じた人が多いのではないでしょうか。
女性全体の転職率は、7%を下回っています。
雇用が流動化してきているとは言われているものの、転職をキャリアアップのチャンスととらえるアメリカと比べれば、日本の労働移動率は依然低い数字です。
一方、メンバーに目を転じてみると、転職率は38.9%となり、一般的な転職率よりかなり高い数値となっています。
回答内容からは、転職経験が一回だけなのか複数回なのかは判別できないのですが、とにかく転職という人生の一つの岐路に立った経験者が多いことは確かです。
転職の中身で見てみると、転職経験組中の65%が企業から企業への転職で、それ以外は組織を離れて起業して経営者となった人、フリーランスとして独立した人がほぼ同数、少数ですがキャリアチェンジの準備として専門学校などに通学中という人もいます。
転職の動機は、開業・独立。一方で、キャリアアップは・・・
転職の動機で一番多かったのが、独立開業やフリーランスになったからというものです。
「組織からはみ出てしまったが、顧客がいるため自立した」(49歳・自営・2年)や、「不景気で社内に不安定さが感じられ辞めることにした。自身の身につけたスキルを持って、フリーランスとなった」(46歳・フリーライラー・23年)に代表されるように、組織に合わないので独立を決心したパターンと、自分のスキルを活かす道を求めてというパターン大別されました。
次の動機として働く場所や環境を変えたかったというのが挙がります。この場合の場所や環境という言葉は、仕事内容ではなく人間関係や残業時間などを指しています。「結婚して数年後、どちらも残業が多く、そのためによくけんかもしたため、仕事か家庭かでかなり悩みましたが、そろそろ子供も欲しかったこともあり、残業の少ない職に転職しました」(既婚・その他属性なし)
「新しい仕事を始めることで自分の能力を広げるため」(34歳・会社員・8年)のように新しい仕事にチャレンジしたいという気持ちで転職をした人もいます。
その他は端的に収入アップを転職の目的とした人もいます。ただこれは単純に給料がたくさん欲しいという漠然とした思いからではなく、「給料が少なすぎて生活できなかった」(37歳・自営・10年)という切実なものばかりです。
体調を崩す、病気になるなど健康面の理由から職を離れた人も少なくありません。
リストラなどの会社都合、夫の転勤により退職せざるをえなかったなど自発的な転職ではない場合もあります。
一般的に転職する際の企業面接の場で、転職動機を聞かれると多くの人が、当たり障りなくキャリアアップと答えるようですが、今回のアンケートではその言葉は見当たりませんでした。メンバーのホンネの転職動機が聞けたということだと思います。
なぜホンネの転職動機が大切かいうと、一見意外に聞こえるかもしれませんが、実際に企業面接で企業側が期待しているのも、実はホンネの答えなのです。転職で面接される人のほとんどが答える、優等生的な内容が本当の理由ではないことを企業側は見抜いています。まして10年前と比べて転職に対する一般的なイメージも随分と変わりました。転職はもはや後ろめたいことではありません。その人らしさが出る、その人なりの答えをするほうが、相手に対して人柄や仕事への思いがよく伝わります。
転職という現象は一つでも、そこに至るストーリーは二つとして同じものはありません。
働く理由の第一は経済的自立。加えて成長、社会との関わり、喜び。
「なぜ働くか」という問いに対して、当然のことながらほとんどの人が「生活のため」「収入を得るため」「自分の食い扶持を稼ぐ」という経済的な理由を挙げています。
半数以上の人は収入以外の複合的な要因にも触れています。そして、その複合的な要因にはいくつかのキーワードが含まれています。
まず、一つ目が成長です。「働くことを通して人間的な成長や出会いを得て、自分が活性化されるのを感じるため」(43歳・会社員・21年)、「自分を成長させ磨いていくため」(48歳・フリーライター・25年)、「自分の人生の可能性を広げ、心豊かに生きていくため」(43歳・公務員・20年)など自己の成長や更なる可能性を働くことに求めています。
二つ目が社会。社会とのかかわりも働くことの要因です。「社会とつながっているため」(41歳・会社役員・20年)、「社会的に様々な経験をするため」(38歳・会社員・16年)、「世の役に立つため」(46歳・フリーライター・23年)
そして三つ目が喜び。「おもしろさ。喜びが感じられる」(47歳・建築設計管理・25年)、「何かに役に立っているという喜びを感じたいため」(67歳・団体非常勤理事・40年)
四つ目には、責任という言葉に注目しました。「責任を全うするため」(43歳・会社員・20年)、自分自身に責任を持って、自分の足でしっかりと立って生きていくため」(43歳・公務員・20年)
キーワードからは離れますが、「個人ではできないことを、会社のお金と仕事仲間のパワーを使って成し遂げる」(42歳・会社員)という力強く働く姿が垣間見られる回答もありました。
一方で、何のために働いてきたかを考えるとき、その理由が変化したり、苦悩したりする姿も見てとれます。
「若い頃は楽しいから働いているという要素が強かった。今は生活するために働いているという要素が強い。生活するために働くにしては、今の労働環境は厳しすぎる」(44歳・海外営業・22年)
「何を求めて働いてきたんだろう。育児と家事、自分自身の幸福感、そういったものと仕事のバランスが崩れるとき、いつも自分に問いかけます」(公務員)
働くことは、私たちの人生を物心両面から支える重要な要素であることは間違いありません。しかし働くことが、時に喜びややりがいをもたらし、時に苦しみやプレッシャーをもたらします。
「なぜ働くのか?」という問いは、働き続ける限り浮かんだり消えたりする自分自身のテーマなのでしょう。
「女性は働きやすくなった?」をテーマにしたシリーズの第3回めからは、働く女性の現状に焦点を当てていきます。
第3回目のトピックは、「女性にとってフェアかどうか」です。
労働者を性別により差別してはならないことを基本的理念とした男女雇用機会均等法が1985年に制定されてから23年経ちましたが、私たちの働く現場ではどうでしょうか?
「仕事の内容や進め方、昇進などの場面で女性であるために『フェアではない』と感じたことはありますか?」という質問に対し、「はい・いいえ・どちらでもない」の3つの選択肢とそう思う理由を答えてもらいました。
その比率は一目瞭然。過半数のメンバーがフェアではないと感じでいます。自身の勤める会社や過去に会社勤めをしていた頃の出来事をもとにその理由が語られています。
まずは、仕事の内容・進め方についてアンフェアであると訴える声がありました。
「いまだに女性は補助的作業の役割だと捉えられている部分がある」(40歳・商社・18年)
「職場の性別分業からくる職域や仕事の分担の偏りが残っている。長時間働けることをよしとする職場風土がなかなか変わらない」(67歳・団体非常勤理事・40年)
「入社の条件は同じでも、育成のされかたが微妙に違っている。女性は上級管理職になることを前提とした育成をされないことが多い」(46歳・メーカーのダイバーシティ担当・23年)
「具体的に与えられる仕事量・質・研修の量などが当初は違った」(36歳・会社員・15年)
「新聞社に勤めていた20年以上前の話なので、今は変わっているかもしれないが、女性下着や子ども服の取材は 『女性にやらせろ』と自分に回ってきた。“女ジャンル”の仕事にとどまる限り、自分の成長にもガラスの天井があると思った」(48歳・フリーライター・25年)
「女性特有の仕事があったから→お茶くみ、コーヒー入れ、電話の受け答え、お客様の取次ぎなど。女性がする方が望ましいという理由で、女性の仕事だった。今は、男性がしている。それで何の支障もない」(43歳・販促企画・26年)
評価は男性対象で、女性は対象外。ワーキングマザーはマイナス評価につながる!?
そして最も多かったのが、評価面でのアンフェアでした。
「女性の管理職はいない。何年働いても役職につけない」(32歳・会社員・10年)
「能力主義ではなく、女性は早くて5年以上勤めて主任レベル。昇進へつながるセミナーへ参加も男性のみの参加であり、それ以上の昇進は見込めないという雰囲気が会社に漂っている」(パーソナルデータ未回答)
「男性であれば体力があると見なされ、より厳しい仕事を与える傾向がある。それが成長のチャンスにもなる。しかし、女性は最初からそういうチャンスが少なすぎる。男であるというだけで昇進する人が少なくない」(43歳・新聞社勤務・19年)
「女性の管理職は極めて少なく、女性管理職の人を見てもなりたいと思えない。また、女性の中でも、総合職・一般職の人の違いがあり、入社当初の職種で給与や昇進が決まってしまい、入ってからの実績は評価されない」(28歳・会社員・5年)
「社業の内容から、男性優位。男性の価値観ですべてのことが決まっている。経営者自らが女性は家庭にいるべきだという考え方をもっているので、それ自体が問題だと思うが」(38歳・会社員・16年)
「結婚せず子どもも持たず仕事に専念し、男性以上にいい成果を出している女性の先輩方で、大事な会議からはずされたり管理職の昇進レースで敗れたりする例をみたとき」(パーソナルデータ未回答)
「ある時点から役付手当をもらっているが、実際の肩書きはついていない。男性ではありえないこと」(パーソナルデータ未回答)
会社での評価制度が年功序列制であっても能力主義であっても、その評価対象者は男性のみで、女性であることで、評価の対象から外してしまう会社が多いということを感じます。
採用や就業規則、評価・昇進のシステムには男女の区別は明言されていなくても、会社の雰囲気や暗黙のルールによって女性は評価されないという現状があります。
さらに、ワーキングマザーであるがゆえにフェアではないと答えた人もいました。
「子どもがいることで、昇進はしなくてもいいよねという暗黙の了解のようなものを感じたり、評価面で相対評価である場合、必ず落とされている現状があるから」(38歳・会社員・16年)
「就業規則にも書かれていることなので仕方のないことかもしれないが、育児休暇をとった際、年度内に出勤日数が満たない場合は、評価が得られないことがあった。」(43歳・会社員・24年)
「いつも評価のときは、『頑張っているけど、短時間勤務だから』と言われる。3年間かけてようやく第一子妊娠前の評価に戻った。」(35歳・会社員・13年)
「育児休業からの復帰後に残業不可の旨を上司に話したら、雇用契約変更の話を持ちかけられた。残業ばかりしている男性社員が管理職になっていき、勤務時間に制約のある女性社員には一向に仕事を任せてくれない。(結果、女性社員はキャリアアップ出来ない状況)」(30歳・会社員・8年)
「どうしても出産・育児については、女性は一時期あきらめざるを得ないことが多い。また、後々ハンディにもなりうる。長い目で見れば、働き方を変えることはプラスになったと思えるが、当時はまだまだ働きたかったので、くやしい思いを持っていた」(47歳・会社員・24年)
職場環境や働き方によってはフェアに
では、「いいえ」と回答したメンバーの理由はどうなっているでしょうか。
「入社時点で配属された部署の上司の考え方が革新的であったため、女性であってもフェアに扱われてきた」(44歳・海外営業・22年)
「女性の多い職場であり、女性の上司もいるのであまり感じない。ただ仕事関係先は保守的な人がまだ多く、雰囲気として感じることはある」(パーソナルデータ未回答)
男女を区別することなく評価をしてくれる上司や会社で働いていると、女性であるがゆえの壁を目の当たりにすることはないようです。
または、「女性として見られたことがない。男性と同じカテゴリーで仕事をしてきたから」(41歳・会社役員・20年)のように、男性並みに働いていると評価も結果としてついてきたのでしょうか。
「どちらでもない」と回答した方々は、直接自身にフェアではないと感じたことがなくても、周りの女性を見ているとフェアではないと思うと答えています。
「他の女性に対して昇進などの意識を持たせる働きかけをしていないので、必然的に上に行くにつれて男性のみになっていく。個人の意識の問題かもしれないが、会社としても女性を育てていくことを考えるべきだと思う」(34歳・ホテルのPR/マーケティング担当・8年)
「責任者や役職者に女性が増え、打ち合わせ時に男性ばかりという場面は少なくなった。しかし、決定権は男性にあるという印象もいまだ大いにある」(45歳・フリーランス・23年)
「自分にはあまりデメリットはなかったが、社内ではフェアに扱われていない事例もあるため」(43歳・会社員・21年)
社内は男女平等であるが、現状としては男性の管理職の方が圧倒的に多く、昇進も早いと感じる」(48歳・会社員・19年)
いつになったらフェアになるの?
全体を通して見ると、会社が女性に対してどういったスタンスで仕事を任せるか・評価するかが大きく影響しているようです。そして過半数の会社が女性をフェアに扱っていない現状があります。その会社の文化や暗黙のルールにより正当な評価を受けられない隠れた差別が多くの会社に残ってると思われます。
男性の価値観で決められた仕事の内容や評価に合わせると、家事・育児の負担から体力や勤務時間に制約が出てしまう女性はどうしても成果を出しにくい状況になります。
男女雇用機会均等法の理念が一般企業に浸透し、日本の働く女性が堂々と活躍するのはいつの日でしょうか。私たちが声を大にしてこの現状を世の中に訴えること、そして諦めずに働き続けることが大切かもしれません。
2008年4月、「日経WOMAN」誌は、独自に調査した「女性が働きやすい会社100」を発表しました。採点の際の指標は「管理職登用度」「女性活用度」「ワークライフバランス度」「男女均等度」の4つで、総合ランキング第1位はP&Gが受賞。第2位以下、日本IBM、松下電器産業(現パナソニック)、オリックス、ソニーと続きます。項目別に見ると、女性管理職の登用度では外資系や流通・サービス業が上位を占め、女性活用度では金融系が多く、ワークライフバランス度では電子機器メーカー、男女均等度では保険会社の躍進が目立ちました。
1986年に男女雇用機会均等法が施行されて20数年。
経済環境が大きく変わる中で、働く女性自身は働きやすくなったと感じているのか、いや、働きにくいと痛感しているのか・・・。
第4回目のトピックは「働きやすさの実感」です。
「いま・未来」会議メンバーへの調査で、自分が働き始めてから「働きやすくなった」と答えたのは58%。予想していたより、やや高めの結果となりました。メンバーの約66%が民間企業の正社員か公務員という立場にいること、比較的規模の大きな組織に属している人が多いことの影響もありそうです。
「働きやすくなった」と答えた人の理由は、「自分への自信」「職場での良好な人間関係」「女性のライフスタイルの変化」「諸制度の整備」という4つに分類できます。
力をつけてきた「私」
まず、働き続けてくる中で「自分に力がついてきた」と自覚している人が働きやすさを実感しています。
「経験を積み、自分の役割やポジションを自覚でき、私を必要とする人たちとも出会え、仕事と身の丈で向き合えるようになった」(47歳・建築設計監理・25年)
「与えられた仕事から逃げず、ピンチをチャンスに置き換える努力を繰り返してきた」(75歳・幼児教育・40年)
「勤続年数を重ねて仕事の進め方や力を抜くところを体験的に学び、よくも悪くも自然体で仕事がこなせるようになった」(43歳・会社員・20年)
「経験や知識を積んで、自分のやりたいことをどのようにしたら実現できるかわかるようになってきた」(42歳・システムエンジニア・19年)
これらは、働く自分を肯定し、積極的に職業能力を向上させてきた人々です。専門的な技能を必要とする職種に就いている人ほど、その傾向が強いようです。
やりがいとプレッシャーは紙一重
「インターネットの環境が整い、作業が軽減された」(46歳・フリーライター・23年)や「パソコンの普及によって仕事がスピードアップされた」(53歳・会社員・20年)の声に代表されるように、職場のOA化やITの発達が仕事の効率を上げ、アナログの時代よりは働きやすくなったことは確かです。しかし、意欲的に働き、順調に昇格したとしても、その先に待つ厳しさに直面している人も少なくありません。
「会社でのポジションが上がったことで、自分の意見が通りやすくなったし、視野も広くなった。やりたい仕事を選べる立場にいるので働きやすい。ただ、責任はより重く、時間的拘束も長くなった」(34歳・ホテルのPRとマーケティング担当・8年)
「人から与えられる仕事ではなく、自ら仕事を作り出す立場なので、段取りや予定はたてやすい。その分、仕事に対するプレッシャーはきついが、強制されるより、はるかにやりやすい」(43歳・販促企画・26年)
「それなりに責任のある仕事にずっと就けているが、昇進するにつれて会社から要求されるレベルは高くなり、仕事の難易度は上がっていく。それをやりがいと感じる日もあるが、大変なプレッシャーとなる日もある」(43歳・会社員・21年)
良好な人間関係が仕事を支える
働きやすさは、職場の人間関係との相関関係もあります。上司や同僚、クライアントの関係が比較的良好で、部下が順調に育った場合に「働きやすくなった」と答える女性がいます。
「独立当初は無我夢中で必死だったが、10年も経つと仕事の関係者とも信頼関係ができ、安定してきた」(37歳・訪問によるリハビリとマッサージ施術・11年)
「後輩ができたことで、“量をこなす”から“考える”タイプの仕事が多くなり、自分で時間管理ができ、残業が減った」(プライベートデータ未回答)
「社員間で私的ななつきあいは全くないが、仕事を通しての人間関係は比較的スムーズ」(プライベートデータ未回答)
「部下が育ってきたから働きやすくなってきた」(53歳・会社経営・23年)
「長年の仕事の経験と築いてきた人間関係を十分に生かすことができている」(64歳・フリーアナウンサー、各種研修講師、川柳作家・44年)
多様なライフスタイルが社会に浸透
既婚・未婚を問わず、働く女性の総数は増えてきました。女性が就く職種も以前よりは多様化し、今では子どもをもつ女性宇宙飛行士も誕生しました。
「必ずしも結婚・出産の理由で辞めなくてもよくなり、仕事の幅も広がってきた」(49歳・会社員・27年)
「女性が働き続けることが当たり前になり、役職者も少しずつ増え、特別視されなくなってきた」(67歳・団体非常勤理事・40年)
「ワークライフバランスという言葉を上司が当たり前に知るようになった。家庭の話題を職場でできるようになり、子どもの行事で会社の有給がとれるようになった」(パーソナルデータ未回答)
外からみれば、元々男女差がないだろうと考えられていた公務員でさえ、「女性の先輩たちが実積を積んできたおかげで、女性管理職を女性だからと特別視したり、お飾り的に扱う風潮が少なくなり、個人の力をみてもらえるようになった」(43歳・公務員・20年)と言うあたり、事情はあまり民間企業と変わっていなかったのかもしれません。
正規・非正規雇用の問題はさておき、女性が長く働くことは、職場だけでなく、家庭や地域でも広く認知されるようになりました。
「新卒の頃は女性が長く働き続けることを特別に考える人が多かったが、今は選択肢の一つとして充分認識されている」(36歳・会社員・14年)
「女性の社会進出に対する社会の認識が向上した。以前は飲み屋で隣に座った知らないおじさんやタクシーの運転手にまで説教されていたのに。仕事先に行ってもさほど珍しいと思われなくなった」(41歳・マーケティング・19年)
昨今の女性のライフスタイルが職場に変化をもたらし、「特別ではなく普通になった」ことで不必要な緊張を女性に強いなくなりました。その結果として働きやすくなったと考える土壌が徐々に形成されてきたようです。
諸制度の整備の明暗
社会的には女性労働者にかかわる諸制度は徐々に整いつつありますが、組織で働く場合は、女性社員の登用と評価の仕組みがきちんと機能してこそ、女性の働きやすさが向上します。「雇用機会均等法や育児・介護休業法ができて社会的状況が変わったことと、自分の年齢や経験が増加したことで社内外で発言力や影響力が増したことの2点から働きやすくなってきた」(46歳・化学メーカーのダイバーシティ担当・23年)、「育児休暇、育児時間、社会活動休暇などプライベートで休むことを会社がバックアップする制度を整えた」(43歳・会社員・24年)などの声がその代表選手です。「女性の社会進出に対する抵抗が昔よりは低くなり、公的なサポート制度や民間のサポートサービスが増えてきたから」(40歳・商社・18年)と、働く女性を支える社会資本も少しずつ整ってきました。
その一方で、核心には触れない企業に対して手厳しい意見もあります。
「男女雇用機会均等法で、建前だけでも会社は男女平等にせねばならず、あからさまに女性を差別できないだけ」(51歳・会社員・29年)
「育児、介護休業制度、セクハラ防止など均等法によって働く女性の環境整備は一定レベルまで進んだが、半数以上を占める非正規雇用の女性は置いてきぼりになっている」(67歳・団体非常勤理事・40年)
「少ない社員で過酷な仕事」の現実
今まで紹介したのは「働きやすくなった」と感じている人の主な意見です 。全体的には働きやすくなってはいるけれど、諸手を上げて歓迎はできない状況も見え隠れしています。
一方、自分が働き始めてから今日まで、「働きやすくなっていない」と答えた残り42%の意見を見ていきましょう。複数の人が、正社員の減少と労働量の増大が同時進行していることを挙げています。
「年々、労働環境が悪化している。正社員が減っているのに、会社が社員に求める仕事は増え、多くの正社員が疲弊している。派遣社員は定着しないので、辞めるたびに同じことを何度も教えなくてはならない。派遣社員の責任の範囲が限られている中、結局、正社員の仕事は増えるばかり。派遣社員の制度は経営者にうまく利用されているだけで、社員のためになっていない」(44歳・海外営業・22年)
「コストダウンのために減員された組織で、以前と同じ質量の仕事をこなさないといけない。そのためか、この数年、仕事をめぐる人間関係がぎすぎすしたり、仕事仲間が病に倒れたり、健康に働き続けることが難しくなっている」(48歳・フリーライター・25年)
「法整備やダイバーシティなどについては進歩が見られるが、この10年、新しく導入された成果主義・個人情報の弊害や、正規・非正規問題、格差社会、年金問題など昔にはなかった根深い問題が出てきている(47歳・会社員・24年)
これらは女性だけにおきている状況ではありませんが、気力体力があったとしても安心して長く働き続けられるとは言いがたい過酷な状況です。不安を抱えながら働いているようでは、働きやすいとは言えません。
経済の失速が直撃
11月上旬、わが国の優良企業の筆頭、トヨタ自動車が業績を大幅に下方修正しました。世界規模で景気が悪化するのではないかと警戒感が広がり、東京株式市場では幅広い銘柄に売り注文が膨らみ、日経平均株価は大きく値を下げました。人事面では、金融不安から早期希望退職を募る動きが加速しつつあり、09年入社予定だった学生の内定取り消しも起きています。経済の悪化が労働の現場を直撃しています。
「経済環境が悪く、努力をしても結果が出にくい時代。無理をするか、どこかで歪(いびつ)な状況を作り出すことでしか、一定の利益や収益水準をあげることができない。そのしわ寄せは社会的弱者だけにきているとも思えない」(41歳・会社役員・20年)
「業界の競争が厳しく、会社の合併などで混乱している。どの部署も人材が足りず、多忙を極めている」(40歳・会社員・18年)
「女性と仕事をとりまく制度など環境要因ではなく、経済環境が悪化していることが働きにくくなった理由につきる」(41歳・会社役員・20年)
依然残る男女の格差
冒頭に挙げた「女性が働きやすい会社ベスト100」の調査で、「女性活用度」ランキングの上位企業の多くは、経営トップが女性活用に積極的で、女性を活用するための専任組織を備えています。逆に言うと、トップの意識が低いか、女性活用の専任組織などとうてい作れない規模の企業だと、女性の活用は鈍り、働きにくさを日々体感することになるのでしょうか。
社員数5人の会社で働く女性は「小さな職場で諸制度があるわけもなく、経営者一人の個性や働き方ですべて決まる」(35歳・会社員・10年)、社員数10人の会社で働く女性は「就職した20年以上前と比べ、男女の昇格、配置、研修などの差は変わっていない。古い体質の男性が多く、女性社員には責任も権限もない」(パーソナルデータ未回答)という状況を変えることができません。
社員数200人の会社で働く人は「10年前に比べれば法制度などは整ってきたように思うが、女性であるがゆえに働き続ける壁にはまだぶつかる。今の社会はまだ男性優位な状態だから」(30歳・ソフトウエア開発・7年)、社員数1000人でも「いまだ女性が子育てと両立しやすい環境が整っているとは言いがたい。特に夜にかけての仕事や休みが不規則な場合には大変」(39歳・会社員・17年)など悩み多い状況です。
結局、男性優位で築かれている組織では、女性は働きにくいということになります。
働きやすいことと活躍できることの差
「女性が働きやすい会社」調査には外資系企業やグローバルな事業を行う大企業が多くランクインしました。女性が活躍できる企業だからといって、女性自身が働きやすいと思うどうか、やや中身が違うのではないかと指摘する人もいます。
女性役員担当職の有無、女性管理職比率、女性活用専任組織の有無、女性対象の研修制度の有無などは、女性が活躍できる会社かどうかの指標です。
一方で、男女の有給休暇取得率や育児休暇取得率が高く、仕事と生活の調和を尊重する「ワークライフバランス」、女性社員の比率や平均勤続年数が長く、現実的な「男女均等度」、個々の社員の意見を尊重し、公平に扱ってくれる「ダイバーシティの浸透具合」などは、女性にとって働きやすさを感じる指標なのではないでしょうか。
社員数6000人の会社で働く女性は、「職場の制度は充実しているが、仕事が思い通りにできない葛藤があり、トータルで働きやすくなったとは思えない」(38歳・会社員・16年)と話します。制度があっても、現実と乖離しているか阻害する要因が潜んでいると、働きやすいという結果に結びつきません。
分断される女性労働者
今日では労働者が正規・非正規雇用に分断され、多くの女性が不安定な非正規雇用の立場で働いています。経済環境が大きな変化に直面した時、これまでも女性が景気の調整弁として処せられる傾向が続いてきました。さらに正社員の中でも分断が生まれていると報告する人もいます。
「女性登用が増え、研修内容も男女で差がなくなった点では働きやすくなったが、この流れを勝ち取った女性の先輩は直面しなかった新たな問題に、今、ぶつかっている。女性の登用が進み、職域が広がってきた中で、“育児中は仕事を抑えます”と宣言する人と、育児と仕事の両立を図りたい人や独身の人との間に、処遇に大きな差がでてきた。両立を目指す育児中の女性や独身女性が通常以上の残業や土日出勤が多いポストに配属され、その異動の結果、仕事を抑制して育児をしている人より給与が下回る現象が起きている」(公務員)。
仕事と生活の調和を重視し、一人ひとりの個性やライフスタイルが尊重され、安心して働き続けられる職場は、女性はもちろん男性にも働きやすいはずです。少しずつ法制度や社内制度が整備され、ワークライフバランスやダイバーシティの思想が具現化してきていますが、女性の誰もが働きやすいと感じる地点に到達するのはまだ先のようです。
女性が働き続ける中で、一つの”壁”としてあるのが、「出産・子育て」です。
これを物語る、いくつかの指標があります。
各年代ごとに仕事を持つ女性の割合を知る、「年齢区分別女性の就業形態の変化」(総務省統計局『就業構造基本調査』)があります。そのグラフでは、出産を前後して30代前半に女性が仕事から離れてしまうことによってできる、”M字カーブ”が表れます。日本独特のカーブは今も消えていません。

(参考資料は、配偶者と子どもの有無の割合も含めたデータを採用)
また、出産前後の女性の就業状況の調査した、「子どもの出生年別、第1子出産前後の就業経歴の構成」でも、第1子出産前後に出産退職する女性が割合がわかります。その割合は、4割前後とここ20年変わっていません。

(両データはいずれも「少子化と男女共同参画に関する社会環境の国内分析報告書/平成18年9月」から)
育児支援の制度は整えられつつありますが、女性が働き続ける環境として大きな成果は表れていないようです。
第5回目の今回のトピックは、「出産・子育てに悩む」です。
「いま・未来」会議のメンバーに、「仕事と子育ての両立の難しさを感じ、仕事を辞めようと思い悩んだことがある、もしくは、子作り(出産時期)を先延ばしにしたことがありますか」との問いかけをし、働き続ける中で、出産や子育てのその時をどのようにしてとらえ、考えたのか、あるいは考えているのか、数字の中にある、思いを見ていきます。
「働きやすくなったと感じられない」「フェアではない」につながる、出産・子育て
「仕事と子育ての両立の難しさを感じ、仕事を辞めようと思い悩んだことがある、もしくは、子作り(出産時期)を先延ばしにしたことがありますか」との質問に、「はい」が32%。「いいえ」39%、「どちらでもない」29%とほぼ均等に分かれました。

今回「はい」と答えた人には、他のアンケートの回答とを組み合わせて傾向をみる、クロス集計で一つの傾向があります。
前回のトピックでもあった、「『働きやすくなった』と感じていますか」については、メンバー全体では、過半数58%が「はい」としました。しかし、今回の質問で「はい」と答えた人では、47%にとどまっています。
また、「仕事の内容や進め方、昇進などで女性であるために『フェアではない』と感じたことがありますか」について、全体の54%が「はい」だったのに対し、ここでも違いがあり、やや高い数字となる63%が「はい」と答えています。
「働きやすくなったと感じられない」「フェアではない」という働く現場での実感と、「出産・子育てに悩むこと」は関連していることがわかります。
「生むのか」そして、「いつ生むのか」。出産のタイミング
「仕事と子育ての両立の難しさを感じ、仕事を辞めようと思い悩んだことがある、もしくは、子作り(出産時期)を先延ばしにしたことがありますか」との問いに、「はい」と答えた人の中から、その場面ごとに分けて聞いてみました。
まずは、出産です。
「パートナーが家事に協力的でなかったため、仕事を続けながら子どもを持つと自分だけ大変になってしまうと感じた」(42歳・会社員)
「結婚自体も仕事の障害になると思った時期もある。今もそうかどうかはわからない」(38歳・会社員・16年)
「子作りの選択を考えたことはあったが、結果的には仕事を選択したのかも・・・です」(47歳・建築設計監理・25年)
と出産・子どもを持つことそのものを考えたという人がいます。
出産のタイミングについても多くありました。
「30代前半までは、仕事の第一線を退くと『負けになる』と思っていたし、同僚男性からのねたみをはねつけ、わたしを引き上げてくれた上司が彼らから『それ見たことか』と思われてはいけない」と思っていた」(41歳・会社員・19年)
「仕事をすると男に見られますので、『いっそ辞めるしか子作りの環境はそろわないかなあ』と悩んだことはあります」(41歳・会社役員・20年)
「20代から30代前半にかけて、仕事が俄然おもしろく、子作りを具体的に進めなかった。頭の中ではどうするんだ、いつ生むんだと常に葛藤があった。38歳頃、子宮筋腫を治して、出産に臨もうかと思ったが、ちょうど親の介護と重なったこと、不妊治療への抵抗感から出産はあきらめてしまった。自分が選択した生き方なので悔いはないが、子どもを生まなかった『負い目』のようなものはある」(48歳・フリーライター・25年)
「どうしても出産・育児については、女性は一時期あきらめざるをおえないことが多い。また、後々のハンディにもなりうる。長い目で見れば働き方を変えることは、プラスになったとは思えるが、当時は、まだまだ働きたかったのでくやしい思いを持っていた。でも、今となっては、あきらめずにもがきながら続けてきたことが、自身に大きな力となり、部下や後輩から頼りにされるゆえんとなっていいる」(47歳・会社員・24年)
自分がキャリアを重ねる時期とどう折り合いをつけるのかは、大きなポイントのようです。
また、職場環境や仕事量もタイミングを図る要因になっています。
「妊娠して体調を壊しても仕事を変わってもらえる保証がない。半年、1年半先に予定が入っていることも多いので子作りをためらった」(45歳・フリーランス)
「職場の規模や環境からみて、先輩となる人がいない、応援してもらえる上司もいなかったので、子作り(出産時期)に不安を感じ先に延ばそうと思った。迷っているうちにいい年齢になり、あきらめ、結局出産しなかった。働きながら出産するためには、かなりのエネルギーが必要と思う。私にはその体力がないと感じたのもその理由の一つ」(パーソナルデータ未回答)
「あまりにも残業が多かったこと」が悩みだったという女性は、「結婚して数年後、どちらも残業が多くそのためによくケンカもしました。仕事か家庭かでかなり悩みましたが、そろそろ子どもが欲しかったこともあり、残業が少ない職に転職しました」(パーソナルデータ未回答)と、働き方を変えています。
「一人目の育児休職明けにひきとってもらった部署の上司に迷惑をかけたくないと考えたから」(パーソナルデータ未回答)
「入社5年目の研修に同期の仲間たちと一緒に行きたかったから、先延ばししたことがある」(38歳・会社員・16年)
と具体的に出産時期をコントロールした人もいます。
子育ての最大の悩みは、時間が足りないこと
続いては、子育ての場面です。
「仕事は辞めようかと悩んでいます。時期にもよりますが、連日残業をしたり、土日にも出勤を余儀なくされたり、持ち帰って子どもが寝てから仕事したりして、疲れ切ってくると、家の中も荒れ放題。子どもの接し方も悪くなり、何のために仕事をしているのだろうかと分からなくなってきます。一方で、こんなに安定し、かつハードワークでない私がそんなことを言うなんて、甘えているんだ、とか、こんなことで負けたら男女の経済格差拡大に寄与してしまって悔しい。それより何より、まだ小さい二人の教育費はどうするんだ、などと考えて辞めるに辞められずにいるんですが」(公務員)
「二人目を妊娠したとき、上の子の保育園のお迎えの時間に間に合わず、走ることもできないので、限界と感じた」(43歳・会社員・24年)
「(同じ職場の)アルバイトの数が減り、その時間帯も働くことになったため、帰宅が夜中を過ぎることが3ヵ月も続きましたその間、娘が肺炎で入院し、2週間休まざるをえなくなりました。家、職場どちらにも無責任にもみえましたし、アルバイトからの風当たりも強くなりました」(43歳・会社員・20年)
と悩みの多くは、子育てに対して時間が足りないことでした。
杓子定規に進まない子育てに、柔軟に対応できる職場のシステムや家族の協力も得られないことが、働く女性たちを孤軍奮闘させ、追いつめているようです。
「日本企業の一般的な働き方は、長時間労働を美徳とする意識が強く、子どもと過ごす時間が必要な時期は時間のやりくりがつらかった。とくに子どもが小学校に入ったばかりのころが、精神的に一番きつかった」(46歳・会社員/ダイバーシティ担当・23年)
と指摘する声があるように、長時間労働の影響があるようです。
「子ども・家族・まわりの社員に負担がかかってしまう、と思うと、そこまでして私は働く意義はあるのか!?と悶々とする」(30歳・会社員・7年)
「日も暮れて、友だちがみんな帰った後の公園で小学校2年生だった子どもがたった一人でランドセルをお尻に敷いて座りながら、紙飛行機を飛ばしている後ろ姿を見たときは切なかった。責任ある仕事をしているという自負と、家族を犠牲にしているかも知れないと思った気持ちが入り乱れた瞬間だった。その後も子どもに関して、一人っ子で寂しい思いをさせているかも知れないと、何度も辞めたいと思った瞬間があったが、辞めるためには最低1年間の引き継ぎが必要と考えていたので、すぐには実行に移せなかった。(その後)辞めたときの理由は子どもではありませんでした。子どもには、『今辞められても僕には何のメリットもない』とはっきり言われました」(53歳・正規社員からパート)
ワーキングマザーの「子どもを犠牲にしているのでは」という自責がいつの年代にも変わらずあることも、寂しく思われます。
「上司の理解」「家族・職場の環境が整っている」と悩むことはなし
次は、「仕事と子育ての両立の難しさを感じ、仕事を辞めようと思い悩んだことがある、もしくは、子作り(出産時期)を先延ばしにしたことがありますか」との問いに、「いいえ」と答えた人たちの理由を見ていきます。
「上司の理解があり、結婚報告や妊娠報告をしたときもすごく喜んでくれた。会社の制度も大切だが、何より、一緒に仕事をする上司の理解が一番だと思う」(38歳・会社員・16年)
「仕事を辞めようと思ったことは一度もありません。ずっと仕事をしていた母に子育てを助けてもらえたことと、そもそもずっと働くのがあたりまえ、と思って育ったからでしょう」(パーソナルデータ未回答)
「仕事も子育ても私にとって大切なものなので、家族の協力と職場のメンバーの理解があり、辞めようと悩んだことはない」(43歳・会社員・22年)
と職場、家族とも恵まれていると感じられる環境にある人の一方で、
「出産・育児をクリアーして後、職をもったため」(75歳・幼児教育・40年)
と自身の働く環境を整えた人もいます。
「生活のために辞める選択肢はなかった」(49歳・自営業)
「仕事以外に収入は望めない生活だったから」(53歳・会社員)
と生活を支えるために働き続けることを第一として、仕事を辞めようと悩まなかったとする人もいます。
これから迎えるその時に、前向きもあれば、不安も見え隠れ
ここまでは、出産・子育てのその時を振り返ったメンバーの意見を紹介してきました。
その時をこれから迎える人の場合は、どうでしょう。
「今の仕事量ならば両立していける自信がある」(32歳・会社員・10年)
「子作りのタイミングは自分で納得して考えている。仕事とのタイミングももちろん考えるが、欲しいときに仕事があしかせになっているとはまだ感じていない」(34歳・ホテルのPR/マーケティング担当・8年)
「出産の時期は仕事のおもしろさと区切りを考え、先延ばしにしてきたが、まわりに両立している先輩がいるので、悩んだりしたことはない。ただ復帰後、自分が両立できるかは不安を感じることはある」(休職中)。
とこれらは、「いいえ」と答えた人たちです。
「はい」と答えた人は、その理由を
「仕事が家庭の両立はこれからくるものだが、現実的に難しそう。突発的な仕事が多く、また出張が多い。自分で時間調整するのが難しい」(27歳・会社員・4年)
としています。
前向きに現状をとらえる人、その中に不安が見え隠れする人もいます。
実は、悩んだことのない「いいえ」は少数派
今回のテーマでは、出産・子育てその時の場面について、聞いてきました。「いいえ」「どちらもない」との答えには、メンバー全体の約30%を占める、未婚・シングルのメンバーが含まれています。
それを前提にすると、振り返った時、またこれから迎えるにあたって、「いいえ」と答えた意見は、実は、少数派です。
これまでに紹介していない、意見を細かく見ていくと、「どちらでもない」という中には、
「両立は無理だと思ったので、子どもを作らなかった」(46歳・会社員・21年)
「仕事を辞めようと悩んだことはないが、連れ合いの病気・入院が続いたとき、娘の不安を考えて、仕事量を減らしたことはある」(64歳・フリーアナウンサー、各種研修講師、川柳作家・44年)
「独身のままなので。結婚しなかったのは、明らかに『もっと量的に仕事がしたい』と思っていたからです。若かったからな・・・仕事にもゆとりがなかったし」(43歳・販促企画・26年)
というものがあります。
「仕事を辞めようと悩んだことがあるか」の問いかけでしたので、悩む度合いによって、「はい」「いいえ」「どちらでもない」とに分けられたのもの、その理由から推し量ると、仕事を続ける上で出産・子育て、あるいは結婚の時に、女性たちは考え、選択していることに変わりはないようです。
冒頭、女性が働き続ける中で、一つの壁としてあるのが、「出産・子育て」としました。
逆に、女性が働き続け、それぞれのライフステージを送るには、仕事が壁となります。双方が壁とならず自然と両立できることが望ましいのは、言うまでもありません。
仕事の、とくに物理的な壁となる、時間(長時間労働)だけでも突き崩せたらと感じました。
仕事で心身を病むひとが増えている?
「いま・未来」会議メンバーへの調査では、「これまでに心身を病んだ経験がありますか?」に対して、「はい」と答えたのは37%。そのうちほぼ全員が「働き方や職場環境が影響している」と答えています。
また、注目したいのが、「いいえ」と答えた人の中で「職場や仕事の関係で心身を病む人が増えている」と感じている人が、なんと81%もいることです。自分または同僚について、仕事と心身の健康との関係を感じていない人は全体の9%にすぎず、回答者の90%以上が関連性を意識しているという結果になりました。
第6回目のトピックは「心身を病むということ」。
働く女性と心身の健康について取り上げます。
「はい」と答えた人からは、「精神的な負担が大きかったため、胃を悪くした」(53歳・会社員)「心療内科にかかったこともあるし、この春に手術したのも1年や2年で悪くなるような病気ではない、と医者にいわれたため、やはり過去10年近くの職場環境とそのストレスが影響していると思われます」(公務員)など。
また、「いいえ」とした人も、周囲で心身を病む人の増加を実感しています。 「最近、心身を病む社員が増えている(癌、白血病、くも膜下出血、うつ病、パニック症候群等)。30代以降が危ないと感じる。皆、大きなストレスを抱えながら、働いている」(44歳・22年)、
「増えていると思う。 実際に主人がそのためにうつになり、休職を繰り返しているので」(パーソナルデータ未回答)
「夫の職場では半年ほど前に同僚が自殺。近い身内や知人が心の病気のため長期にわたり休職している。仕事先で出会う入社1〜3年目の若い世代では、仕事に悩み体調を壊したり、退職をするケースをよく耳にする」(45歳・フリーランス)
「最近も直前まで一緒に仕事をしていた仕事先の若い社員が、体を壊したという理由で、担当替えがあった。また、仕事先の人からは社内でとくに心を病む人が増えているという話を聞いている。30代半ばまでの世代が多いように思う」(46歳・フリーランス・23年)
以上からは、想像以上に「働く人と心の病」が深刻である様子がうかがえます。
職場のストレスの最大要因は人間関係
厚生労働省が5年に一度実施している「労働者健康状況調査2007年版」によると、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス」が「ある」とする労働者の割合は58.0%(調査対象事業所数13,609、労働者数17,785)となっています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/saigai/anzen/kenkou07/r1.html
「いま・未来」会議では、「自身が心身を病んだ」原因としては、おのおの、複数の要素を挙げています。「ストレス」とくくった人も多いのですが、具体的な要素の中では、半数近くが「職場の人間関係」を挙げています。これは、回答者に比較的規模の大きな組織に属している人が多いことの影響もありそうです。
1位 職場の人間関係45%
2位 仕事量(過労)27%
3位 家庭との両立27%
4位 職場環境(風土)18%
前出の厚労省調査では、「仕事でのストレス」がある労働者が挙げた具体的なストレスの内容(3つ以内の複数回答)としては、以下のようになっています。
@職場の人間関係の問題(38.4%)
A仕事の質の問題(34.8%)
B仕事の量の問題(30.6%)
C会社の将来性(22.7%)
D仕事への適性(22.5%)
E定年後の問題(21.2%)
男女別では、「職場の人間関係の問題」(男30.4%、女50.5%)は、女が男より高く、「会社の将来性の問題」(男29.4%、女12.9%)、「昇進、昇給の問題」(男24.9%、女15.6%)では、男が女より高くなっています。 就業形態別でみると、一般社員は、「職場の人間関係の問題」(37.7%)、「仕事の質の問題」(36.7%)、「仕事の量の問題」(32.0%)が高く、契約社員は、「雇用の安定性の問題」(36.2%)、「職場の人間関係の問題」(34.4%)、パートタイム労働者は、「職場の人間関係の問題」(45.8%)が高くなっています。 以上から、一般的にも「職場の人間関係の問題」は、労働者にとってストレスを生む最大の要素であり、女性は男性より「職場の人間関係」でストレスを感じやすいといえそうです。
メンバーの回答では「上司との関係」を挙げる人が目立ちました。 「直属の上司との関係性に悩んだことが原因」(40歳・商社・18年) 「20歳代では上司との関係、30歳以降では後輩との関係」(パーソナルデータ未回答) 「癖のある上司が異動してきた年に、突然、耳鳴りがはじまり、受診したところ、突発性難聴と診断された。原因不明の病気であるが、当時の上司との関係によるストレスが影響していたと思われる」(43歳・会社員・29年)
職場の人間関係トラブル−セクハラ・パワハラ
女性ならではの人間関係トラブルとして挙げられるのが、セクハラ。最近はパワハラも男女問わず表面化しています。 「はっきり職場でのトラブルが原因です。セクハラでした」(51歳・会社員・29年)、「転勤先で、セクシュアル・ハラスメントにあった」(パーソナルデータ未回答)、「職場の女性の上司がパワハラだった」(48歳・会社員・28年)「パワーハラスメントで軽いPTSD状況になったことはある」(67歳・40年)
いわゆる「セクハラ防止法」は、1999年改正の男女雇用機会均等法で登場しました。セクシュアルハラスメントには、職場において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により当該女性労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(対価型セクハラ)と、性的な言動により女性労働者の就業環境が害されるもの(環境型セクハラ)とがあるとし、事業者に「配慮を義務付ける」というものでした。これに対し、2007年施行の改正では、対象を女性だけでなく「男性にも」拡大、配慮を9つの「措置」にと義務強化されました。
性差ない過重労働と心身への影響
厚労省調査のストレス要因では、男女合わせて3位の「仕事量の問題」が、女性だけの「いま・未来」会議メンバーでは、2位に挙がっているのも要注意です。多くの人が、まず体の不調を訴えています。
「40歳前は、仕事量に比例して経営運営者から圧力、働き方もムリをし、サービス休日出勤をよくし身が休めていなかった」(パーソナルデータ未回答)、「子宮筋腫は明らかに、若い時に無理して働き、体を顧みず、出産もしなかったからだと思う」(48歳・フリーランス・25年)
「過労での体調不良(長期間の微熱、だるさなど)。スタッフがうつ病になったが過労も原因の一つだった」(37歳・経営者・10年)
過労は、直接、身体に表れる症状として自他ともに注意できるものです。医学的見地からも、時間外・休日労働時間が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強まると考えられ、労働基準法の労働時間延長の限度45時間は、ここに所以しています。また、近年は、労災認定された自殺に、長時間労働によって、うつなどの精神疾患を発症していたことが多いことから、身体だけでなく、精神面への深刻な影響が注目されています。女性の場合は、これに加え、ホルモンバランスを崩すことでの、婦人科系の疾患なども心配されます。
2007年には労働安全衛生法が改正され、長時間労働により疲労が蓄積した労働者に対して、事業者は医師による面接指導を実施することが義務付けられました。身体だけでなく、心の健康にも大きな影響をおよぼす過労。本人の自己管理の問題だけではなく、周囲の責任や見守りの必要も問われています。
実は仕事より大きい家庭のストレス
具体的なストレス要因として、メンバーの回答では、厚労省調査では特記されていない要素が表れているのも注目すべきところです。それは、「仕事と家庭との両立問題」で、多くが心の病に至っていることも見逃せません。
「自分の能力を超える仕事を処理するために家庭(特に子ども)にしわ寄せしていることへの罪悪感などから、うつ状態になって通院しました」
「子どもが発達障害児であるにも関わらず,仕事が忙しすぎて,子育てに十分時間をかけることができずにいたため,それらのストレスから,適応障害からくるうつ状態との診断を受けた」
「うつをわずらったのは、仕事上の金銭的な悩み+親の死と介護からの開放+夫の病気の3つが重なったからだと思う」
育児・介護・看護など、仕事と家庭の間で深刻に思い悩む姿が見てとれます。どちらも大切で手を抜けないのに、どちらも十分にできない・・・。どちらにも誠実であるがために、その悪循環から次第に自責の念を生み、うつの発症に至るケースが多いようです。
心理学では、「ライフイベントとストレス」という考え方があります。アメリカのホルムズとレイという人が1967年に調査した日常のストレスについての研究結果で、生活での出来事とそのストレス強度を数値化しています。
この中から、家庭にかかわるものをいくつか挙げてみると・・・
配偶者の死100/離婚73/近親者の死亡63/結婚50/家族の健康の変化44/妊娠40など、上位に挙がっています。これに対し、仕事上では、失業48/退職・引退45/仕事上の変化39/配置転換・転勤36・・・。前述でストレスの最大要因だった「上司とのトラブル」は30番目、23とされています。
一つの考え方とはいえ、家庭における問題は、実は仕事よりもストレス強度が高いことがうかがえます。仕事のストレスと家庭のストレスとなる育児・介護など、まだまだ、女性が多くを担う現状のなか、働く女性は、両方を一人で抱えがちになる危険性をはらんでいます。ちなみに、「ライフイベントとストレス」では、年間300点を超えた人は、翌年80%が健康に障害が出るとされています。
私は「強い」から大丈夫!?
「自身が心身を病んだことがある」に「いいえ」と答えた人には、以下のような意見も見受けられます。
「心の持ちようが弱い方が増えていると思います。逆境をばねに乗り越えてやろうという気持ちより、なぜ私は駄目なのか、職場でうまくいかないのかと思い悩む人のほうが主流になってきているように感じます」(パーソナルデータ未回答)
「認知件数は増加している。ただし、どの程度が職場・仕事を原因とするものかはわからない。家庭環境による部分もあるし、 ”打たれ弱い”人が増えているのかもしれない」(43歳・会社員・21年)
「増えていると思います。ただ、私には人間関係に敏感になりすぎているところがあるのでは?と思っています」(32歳・会社員・10年)
「社会環境や人間自体か軟弱になってきているので、今後益々心身を病む人が増加していくと考えている」(75歳・幼児教育・40年)
まだまだ、「心身の病は本人いから大丈夫!」という人が頑張りすぎて無理を続け、結果、心身を病む例も少なくありません。その場合、「自分の問題」「弱い人が増えている」との見方は、一般にあるようです。一方、「私は強は弱くない」と思っていただけに、病んだ自分を許しがたく、さらに症状を悪化しがちです。また、加齢によって、ある意味ストレス耐性はついても、身体の衰えは無視できません。若い頃のように頑張れない自分を、どう受け止めていけるのか?単に「強い弱い」だけでは図れないものがありそうです。
「風邪をひくように誰もがかかる病気だと思っています」(43歳・会社員・ 22年)
「心身の病む人は、増えていて、心身を病んでいる人との仕事はつらいときがよくある」(48歳・会社員・29年)
「増えてきている。特に女性よりは男性に多いように感じる」(パーソナルデータ未回答)
「個人の体質や性質は起因としてあるが、仕事は一日の半分を割くので誘因とならないわけはない。また、年齢とともに体質の影響が大きくなるので、働き方や環境との調整はさらに難しくなる」(47歳・会社員・24年)
「誰でも健康を害するリスクはしょっているわけで、年をとればその確率が高くなる。若い頃は、心身を病むことなど考えもしなかったが、今は、自分の体が衰えたなぁと実感することもあり、病にはなってないけど、危機感は増していると思う」(43歳・会社員・26年)
厚労省調査では、「自分の仕事や職業生活での不安、悩み、ストレスについて相談できる人がいる」とする労働者の割合は89.7%。これは、女(93.1%)の方が男(87.4%)より高く、相談相手として「家族・友人」(女91.2%、男81.4%)がトップに挙げられています。
「増えていると感じた時期もあったが、今は会社の対応も良くなってきており、そんなには感じない」(43歳・会社員・24年)
「以前、強烈な性格のメンバーが居て、その人のために心身を病みそうになった人が数人いました。メンバー交代後は平和な環境になり、人のパワーは恐ろしいものだと感じました。職場で、上司などが各人と1対1の対話をして、状況をつかみ、早めに必要な対応をすることが大切だと痛感しています」(42歳・会社員)
人と関わらざるを得ない仕事。 ストレスを感じるのも人間関係や周囲の対応なら、ストレスを緩和するのも人間関係や周囲の支えなのだといえそうです。
<次回に続く>
(コメントの後のカッコ内は、年齢・職業・勤務年数を表しています)